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時間が証明した Made in Japan


少し前に、段ボール箱十数個に入ったカセットテープを何百本と廃棄するお手伝いをしたのですが、その中の四百程度を残し、この中で保存状態の良い物を記録としてデジタルアーカイブ(16bit 44.1kHz PCM & mp3)することになりました。そしてふるい分けをしたのですが、あることに気がつきました。
家に置いているカセットテープは、僕が小学生の頃の物でも、普通の部屋に保存されていたので、今でも問題なく再生が可能です。しかし、夏は高温、冬は低温の人が普段使わない納戸の様な所に押し込められていたものです。家庭のごく一般的な部屋に置いているものと違いかなり劣化しているだろうと想像は付きましたが、意外な結果が出てきました。
デッキに入れてテープを回すと、小さな音(テープの音ではなく機械音)がしてテープカウンターが動かず、音が出ないテープが続出! よく見てみると、最初にリードテープといって透明の音声の入らないテープがあり、そのあと音声が入る磁性体を塗ったテープが出てきますが、それをスプライシングテープで留めてつないでいます。その部分が、プチッといって切れるのです。そしてキャプスタンとピンチローラーが空回り、テープは前に進まないのです。
当時安いからと購入したメーカーのわからないもの、今で言うノーブランド商品や、トルコ製のカセットがそうでした。ところが、日立マクセルTDKSONYの Made in Japan はまったく問題がありませんでした。一番古い物は1981年の1月からですから29年選手です。すぐに使い廃棄する、そんな用途ならノーブランドでも問題ないと思いますが、何か大切なものを記録するなら、メーカー物であること、きちんと作られていることの大切さを感じました。まさか29年後に再生し、再生出来ないで本来の記録という目的を果たせないことになるとは、当事者は考えもおよばず安いテープを購入したのだと思います。
結果的に29年の時間をかけた商品耐久テストに Made in Japan は良い結果をだしました。いまさらカセットが高く評価されてもなんのメリットも無いでしょう。でも用途に応じて、それなりに金額を出すことの大切さを感じました。これからも Made in Japan が世界に誇れるものであり続けるためにも、国家をあげての取り組みが必要な時期だと思います。しかしなぁ・・・・・・。