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HQDシステム

僕は、肥大化したシステムと、シンプルというかミニマルなシステムを同時に求めてしまう傾向があります。オーディオが一番その性格が表れてしまう道楽なのです。

1977年頃、つまり高校生の時に、マークレビンソン(現在のマドリガル社)のHQDシステムに出会いました。QUADのコンデンサースピーカーを1セット(普通ならこれでステレオになる)を片チャンネルに使い合計4面、ハートレーウーファーとデッカのツイーター、チャンネル・デバイダーで高音、中音、低音に分け、6台のモノラルアンプで鳴らシステムです。
あとプリアンプとレコードプレイヤーがあれば音楽を楽しめます。プリとプレイヤーをのぞいて、当時で1千5百万円程度だったと思います。当時の小さな家一軒分の価格。高校生にはどう考えても手のでないシステムです。

ここまで読むとすごい複雑なシステムに見えますが、いたってシンプル、当たり前ですが、左右にスピーカー、その横にいまでいうサブウーファー(この当時は、横ではなくスピーカーの少し後ろに設置していました)そして、アンプとチャンデバをスピーカーの後ろに設置、でかいだけで、普通のステレオと変わりません。

プリアンプ側もこの時代からだんだんと入力の数が減っていきます。沢山ソースをつなぐと音質が劣化するからです。レコード、AUX(この当時はCDは陰も形も無い、何をつなぐのか? セクエラ社のチューナー? または空き)そしてテープレコーダーの入出力端子。この程度です。そして入力切り替えとボリューム。トーンコントロールは、音質を劣化させるので当然ありません。バランサーを付けると音楽信号が2回抵抗を通過するので、左右別々にボリュームが付くものまであります。極めつけは、電源スイッチがありません。トランジスター素子が温まらないといい音がでないので、常に電源が入っています。僕のプリアンプもそうです。待機電力ではなく、常にONです。ふたを開けると複雑な回路は音質を悪くします。そこで片チャンネルに部品が20個ほどのシンプルな回路が採用されたりしています。まっそれで何百万円ですから、マニア以外には理解できない代物です。

シンプルだけど恐竜のようにすごい肥大化したシステム。レコーディング・スタジオで使われる機器がF1マシンなら、Hi-Endの機器は、フェラーリランボルギーニのマシンに当たるのです。この高校生の時にあこがれたHQDシステムの規模を縮小したものを現在使っています。でもこれはメインのマシンです。

それ以外にデザインも含めてすばらしいシンプルな、だれでも簡単に操作できるサブマシンがほしいなぁと常に思っています。音を出せばオーディオシステム、音を出さないときは、きれいな家具、すてきなオブジェになるような機器です。デンマークB&O社や英国(資本は香港?)QUAD Musikwiedergabe GmbH(クォード・ムジクビィーダガーベ社)などの機器です。実際のところ置く場所もないので購入しませんが(軍資金も無いし)。

肥大化しても、実はシンプルな回路、極力必要以外の物を排除した物と、シンプルで見た目もきれいな物、心は常に二つの間を行ったり来たりしています。こんどミニマルな方のことも書きますね。